キーワード「アドセンス 審査 落ちた」で考えた
申請前に留意するべき最も重要な事。
『Googleにだって、営業マンがいるんである(多分)。』
「メンインブラック」の映画だったか、コインロッカーを開けたら中にエイリアンの住む村があるという場面があったと思う。
世間には、目にするまで知る事がなかった「場」というものが確かに存在しているようだ。
今回知見を得たのは、人知れず特定の分野で多くの人が共通の話題で意見を交わし、常に盛り上がっているような「場」だった。
それは仲間になるというより、一つのテーマや話題が大勢の人をまとめている場だ。かつてのコミックマーケットがそうだった。
「アドセンス 審査 落ちた」「アドセンス 審査 放置」このキーワードに出会った事で、久しぶりにそういったコインロッカーの中の心優しいほのぼのエイリアン集落を見たような気分になった。
「アドセンス 審査 落ちた」というキーワード。
今回はこれについて、考察し、審査申請する前に留意したい重要な点について書いてみたい。
*GoogleアドセンスとはGoogle社によるWEBページ貼り付け型クリック型広告サービスのこと
・大失敗。飲んだら乗るな。PCいじるな。
きっかけは、はからずしもGoogle社の広告事業「Googleアドセンス」の申し込みをしてしまったことだ。
あるカジュアルな席で、動画投稿やブログの話題になり、話をしているうちに申請方法や面白みや実情などが取り交わされ大いに盛り上がった。
家に戻って、ふと、普段使っているブログのシステムをいじってみたら、なるほどこれかという機能を見つけて、クリックしてみているうちに、「もしかして今ので申し込んでしまったのか?」という展開になってしまった。
しかも、複数持っているブログのうち、全く予定になかった分野のもので申し込んでしまったらしい(多分)。
「飲んだら乗るな、ツイートするな」と言われるが、まさにその通り。
ぼんやりしているうちに失敗してしまった。
申し込んでしまったなら仕方がないと考え直してみたが、巷間言われるように、「準備しています」という表示になったまま微動だにせず、メールの一通も来ない。
いわゆる「放置」という状態らしく、これって「アドセンス 審査 放置」とか「落ちた」とか、そゆこと?という顛末。
件のブログは広告がつくようなものでもないし、取り消したいので、Google検索してみたという経緯である。
<基本データ>
・キーワード:アドセンス 審査 落ちた
・件数:約 61900 件
・1ページ目の傾向:落ちた、合格、見直しについての理由やポイント改善点など独自のノウハウ伝授サイト
・検索表示の絶壁(何ページ目でアレ*が表示されるか):17
(*”ここから再検索してください”のこと)
・収集日:20181010
<関連する検索キーワード>
アドセンス 審査 落ちた 2018
アドセンス 審査 落ちた ポリシー
アドセンス 落ちまくる
アドセンス 再審査
アドセンス 7 回 落ち た
アドセンス 審査 2018
アドセンス 落ちる 理由
アドセンス 落ち た 原因
アドセンス 二 次 審査 落ち た
グーグル アドセンス 審査 厳しい
・審査 落ちた?検索で感じたこと
まず、公式アナウンスのブラックボックス状態がすごい。進捗や経過といった情報が全く知らされない。
経過の段階的表示機能も無ければ、表示の元となる審査経過についての公式情報も無い。申請後出来ることは、返事がこないと噂されている「問い合わせ」と「キャンセル」措置を申し出る以外に、「変更」「保留」「延期」などという選択肢がない。
正直、やや憤った。日本の”お客様は神様です”に慣らされた身としては、ナンダコレハ状態になってしまうのだが、いや待て、相手は外資系なのだった。
自分も含めてこの対応ぶりにムカつく筋も多そうだが、効率最優先の外資系というGoogle社の立場も、少しは考えた方が良いように思われた。
それで、はて、どうしたものかといろいろ検索してみたところ、これが、このテーマでの検索結果、これだけでかなり面白いのである。
意外な新発見だった。
・様々な落ち方
まず、審査時期によって状況が異なる様子がわかった。
これはGoogle社が検索表示用のアルゴリズムに改変を加えている為で、各アルゴリズムの正式リリースに合わせてガイドラインなど関連事項が公開されている。
ニュースにもなり役員が謝罪する映像が流れていた、某IT企業による組織的な健康情報サイトの不適切検索結果過剰適合事案(WELQ問題)があったことで、検索結果上位表示への最適解を追求する行為所謂SEO対策(検索エンジン最適化)への疑問が提示されているという背景がある。
これによってアドセンス提携審査が厳格化され(ているらしく)、申請が通らないという事態が多く発生する結果になったようだ。
申請の落ち方にも様々あり、数時間で受かった、半年待っている、時期によっては一次に落ちた、二次で放置など十人十色で、それぞれが申請するサイトの状態や熟練度など興味深く、人の営為という点でリアルな面白みがある。
また、落ちる人があればコンサルする人がいて、申請方法を教える業者やらこうすれば通過するという情報に溢れ、当然そこにはガセネタも含め噂が飛び交い、ダイナミックな躍動感に溢れている。
「アドセンス 審査 落ちた」というキーワードには、ある種の界隈性ともいうべき場の空気があるのだ。
この界隈性を生じさせている要因を探ると、例えば、審査に受かる方法というのが噂レベルで、文字数やページ数、画像や動画の有無、メニューをつけろとか、自己紹介をつけろとか、文字数一つとってみても500があれば2000もありで、何かに似ているなと考えを巡らすと、あれだ。
小学生の都市伝説とかゲームの攻略法交換みたいだな、と。
みんな攻略法が知りたいのだ。
その点で、受かった人落ちた人、これから申請する人、SEO業者に公式フォーラムの投稿者まで、このキーワードが集まった人々に動機を与えそこに生まれた強力なニーズが共有され『体験されて』いる。
やや自作自演気味ではあるが、検索サイトの面白みの一つの究極の姿が出現しているように感じられた。
・さらに面白いフォーラム
アドセンスサービスについて、Google社は公式なヘルプとその意見交換のフォーラムを設置している。
Google社公式のアナウンスやアドバイスに加え、エキスパートと呼ばれる認定された回答者が常駐していて、ユーザーから投稿される質問や疑問に本当に丁寧に対応している。
これを読むと、アドセンスサービスの実際の利用について大まかなことが理解できるし、質問者と回答者のやり取りの時系列の変化など、なかなか読み応えのある充実した内容となっている。
内容も面白いのだが、さらに面白いのが、アドバイスを簡単に覆すフォーラム外の情報なのだ。
フォーラム内で提示されている審査に通りやすい条件、例えば記事数目安二桁という条件が、フォーラム外では一桁で通過、などという情報が検索上位に上がっている。
数ヶ月以上待っている人がいる反面、中には、7時間で審査通過とか、記事数もこれだけで内容もこの程度なのに翌日受かってました、とか、アドバイスされている必要条件をあっさりすっ飛ばして審査に通るツワモノがいて、せっかくの善意のアドバイスが「どうなってんのこれ」状態になりかねないのだ。
もう少し突っ込んで書いてみよう。もしかすると審査は想像以上に「適当」なのではないだろうか。
Google社はアドセンスサービスの審査について、ガイドラインは発表しているものの、具体的な条件については公式に表明していない。何も言っていないのだ。
では、当該キーワードで検索表示される多くのサイトが真剣に扱っていて、コンサルティングまでされているこの「情報自体」は一体何なのか。
Google社はまさに「情報企業」である。
ぼんやりと浮かび上がってくるGoogle社の「戦略」があるとしたら、それが示現させてしまうものは何なのか、非常に興味深いポイントに到達している期待を感じてやまない。
・Googleとアルファベット社
サービスを利用する時にはあまり意識することはないかもしれないが、我々ユーザーが”Google”と呼ぶものはGoogle社のブランドでありサービスの一つである。
Google社はサービスとしてAndroid、Search、YouTube、Apps、Maps、Adsという複数の事業を抱えており、アドセンスは広告部門となる。
Google社の持ち株会社はAlphabet Inc.(Wiki)(https://ja.wikipedia.org/wiki/Alphabet_(企業))というコングロマリットで、株式のティッカーは”GOOGL”、ここまで見ただけで、Googleの後ろには株主という存在がいることがわかる。
キーワードから関連の事柄を検索しているうちに、ふと思い出したことがある。
そういえば実は以前Google Japanの役員に会って話を聞いたことがあったのだ。(今ではゴミと言われる業界に所属していたのでそれなりに色々な人に会う機会があった)
こちらが思い出さないとならないほどだから、今では先方も全く記憶にないだろう。
その時は「調達」について話を聞いた。
テレビ業界に送信設備が必須なように、新聞雑誌に印刷用の紙の調達があるように、Google社にも絶対的に必要な「調達」が存在する。
それはサーバであり、究極のところ電力である。
データが増えるとサーバが必要になり、サービスを提供するためのネットワークを増強し、維持するためにはそれ相当の電力が必須となるのだ。
ユーザー一人当たりの使用量はほとんど誤差の範囲かもしれないが、それでもサービスを使用するにあたって確実に何らかの資源を使っていることは事実だ。
さて、近年我が国において自然災害が増えているのではないかという疑問を感じたことはないだろうか。
自然災害によるインフラの障害と対策。企業にとっては重要な課題であり、民間とはいえほぼインフラと化しつつあるGoogle社がそのことを全く検討をしていないとは考えにくい。それに伴い自社のサービスと経営資源とのバランスについて常に監視し把握に努めているとしても当然のことだろう。
そこで重要になってくるのは、効率的に資源を使っているか、という事だ。
そして、自分がティッカー”GOOGL”の株を持っていたならば、希望するのは株価が健全な上昇を続ける事なのだ。
・Google AdSenseが求めている事
「アドセンス 審査 落ちた」で盛り上がるのは確かに楽しい。だがここで、Googleの広告部門が求めている事も考えてみたいと思う。
アドセンスのスタートページ(https://www.google.com/intl/ja_jp/adsense/start/#)を見ると、
”「実践ガイド: ユーザエンゲージメント」を無料でダウンロードしウエブサイトのマネタイズ戦略に役立つ方法や実例を取得しましょう”というアナウンスがある。
クリックすると実践ガイドがダウンロードできるページに飛ぶのだが、ダウンロードのための必要事項記入欄にサイトの月間ペーパービュー(PV)数をプルダウンで選択する部分がある。
最低ラインが300万PV(選択リストには300万PV以下とある)だ。
これを見る限り、おそらくアドセンス側が求めている条件の一つは、月間300万回以上参照されているサイトであり、もしかするとクリック型広告として現実的な利益を生み出しているのは、このレベル以上のサイトなのではないだろうか。
他にもアドセンスの公式ページには多くの参考となる情報がある。
例えばクローラについてのこのページ「 ウェブサイトの管理 AdSense クローラについて」 (https://support.google.com/adsense/answer/99376?hl=ja&ref_topic=1348129)などは、検索用のクローラなどとは別にアドセンス専用に登録を行っていることがわかり、「更新は週1回」と書いてあるので、審査結果がそのタイミングを待つ必要があることも理解できる。
「広告を配信する上でコンテンツが重要な理由」というページ(
https://support.google.com/adsense/answer/81554?hl=ja&ref_topic=1628432)ではクローラがサイトの情報を収集する際にどのようなポイントを確認しているのか、雰囲気だけでもつかむことができる。
特にこのページを目次に含む「広告のターゲット設定」という部分は、アドセンスヘルプの中でも読み応えのある情報だと思われる。
アドセンスは広告事業なのだ。そのことを再確認して、最適なサイトを構築するのも悪くないのではないか。何をすべきかを考えるなら、文字数や画像の有無も有効かもしれないが、それよりも、広告主もGoogleも申請者も同じ目的でハッピーな時間を共有する事のように思われる。
それは『共通の利益の創造』である。
・広告としてのアドセンスを考える
アドセンスは広告ビジネスである。ならば、登録されるサイトは広告媒体としてより多くの広告主の興味を引くサイトである必要があるだろう。ヘルプを見る限り、オークション形式も取られているらしいので、「掲載されたいサイト」があるのも事実のようだ。
楽にアドセンスの審査を通過したいのなら、「掲載されたいサイト」を目指すのも一つの方法かもしれない。クリックするだけで限りなく利益に接近している業種なら申し分のない広告主でもある。
そういえばGoogleはフライトの検索サービスをやっていなかっただろうか。
このサービスに直結した旅行情報サイトなら、最短審査時間での通過も夢ではないかもしれない。
おそらく、短時間で審査を通過したサイトの多くは最低限の条件をクリアした上で、フライトサービスに限らず、その時々のGoogle広告部門の持つイベントやキャンペーン、重要課題や営業マン、広告主の需要に即したサイトではないのだろうか。
申請者は「自分のサイトの収益化」を望むものだが、アドセンスが望んでいるのは「収益をもたらすサイト」、需要に即した供給としてのサイトなのだ。
経営資源は限られている。株主は株価の上昇を望んでいる。
自身とGoogleとAlphabet.Inc株主、それぞれの共通利益を目指そう。
ここは一つ、アドセンス広告の営業マンの目線を持ってみてはどうだろうか。
アドセンスはGoogle社にとって、”ビジネス”そのものなのだから。
・回収していない伏線の回収
最近のGoogle検索アルゴリズムでは、YMYLやE-A-Tという検索品質評価ガイドラインというものがあるらしい。ざっくり書いてしまうと「人の人生に関わる決定事項の検索結果については、より専門的な権威者が信頼性を持って書いた情報やそれに該当するサイトを上位に表示しますよ」ということのようだ。
このガイドラインに沿った結果、Wikiがいつも上位に表示されたり、企業サイト、専門機関サイトばかりが表示されたりするようになった。
一部にはすこぶる評判が悪い様子だが、その理由の一つとして、前述した検索エンジン最適化を無効にする措置ではないか、というものがあった。
検索サイトの上位に表示されたい、というニーズに対するコンサルティング業界の行為を否定するのは、件の問題(WELQ問題)やそれに類するサイトへの対応というには少し極端過ぎるように思われる。
何か別の意図があるのではないか。例えばそれは「検索」そのものの再構築を内包したAIへの移行の前段階フェーズなのではないだろうか。
繰り返す、Googleは情報企業だ。
情報をもとに新しいビジネスを次々と創造し続ける必要がある。
その未来に、WEBサイトやBlogはあるのか。
検索エンジンは必要なのか。
それはどのような姿なのか。
その時、情報空間はどのようなものになっているのだろうか。
我々は今を生きる以外にないが、未来とその予兆を感じることは出来る。
去年と違う何か、先月と異なる事態、それに遭遇した時「今」の視点だけでなく、もう少しずらした観点から物事を眺めてみる。
何が起きているのか、それにどう対処するのか、視点を変えて眺め直してはどうだろう。
普段見ていたGoogleという存在の別の一面を考える機会になった「アドセンス 審査 落ちた」というキーワードは、別の世界へのピンホール、あるいはエイリアンの棲むコインロッカーのように思われた良い出会いであった。
我々を取り巻く世界は、まだまだ面白い事に満ちている。
ちなみに2018年10月10日現在、Alphabet.Inc株、一株の価格は、Class AティッカーGOOGLで1,145.17USDである。
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